食物繊維が豊富な青汁、飲むとどんなメリットがある?

便秘の解消や生活習慣病の予防のために、しっかり摂るべきとされている栄養素のひとつに食物繊維があります。
「野菜を食べないと食物繊維が不足する」とか「便秘には食物繊維」といったフレーズを、あちこちで耳にすることがありますよね。
しかし、そもそも食物繊維って何なのでしょうか?
繊維というからには、筋っぽいものなイメージしがちですが、野菜には筋っぽくないものもたくさんあります。
食物繊維が豊富と言われる青汁や野菜ジュースを飲んでも、そんなに繊維っぽさは感じない商品もありますよね。
本当に食物繊維が摂れるのでしょうか?
ここでは、食物繊維とは何なのか、摂ることで身体にどんなメリットがあるのかを説明していきます。
Contents
青汁にも含まれている、食物繊維とは
健康によく、たくさん摂った方がいいというイメージが強い食物繊維。
実は、知っているようで知らないこともあるかもしれません。
食物繊維ってそもそも何?
食物繊維とは、「人の消化酵素では消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されています。
炭水化物、脂質、タンパク質など食物繊維以外の成分は、口から食べて胃、小腸、大腸を通過する間に消化酵素などによって分解されて吸収されます。
しかし、食物繊維は消化酵素によって分解されず、小腸を通り越して大腸まで届きます。
「繊維」と聞いてイメージするような筋状のものもありますが、それだけではありません。
きのこや海藻などにはネバネバしたものが含まれていますし、完全に水に溶けてサラサラになるものもあります。
食物繊維の摂取によって、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の予防、便秘の改善、血中コレステロール値や血圧を下げるなどの効果が認められたとされる研究結果が数多く報告されています。
しかし、「1日あたり○gの食物繊維を摂れば、病気にならない!治せる!」と明確に言えるほどの調査結果はなく、「極端でない範囲で、できるだけ多めに摂取することが望ましい」というのが現状です。
厚生労働省が取りまとめた「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、18歳以上の男性で20g/日、女性で18g/日が摂取目標量、理想的には男女共24g/日以上を目標量とすべきとされています。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
不溶性食物繊維
読んで字のごとく、水に溶けない食物繊維のことを言います。
ごぼうの筋や豆類の皮のように、繊維質な食品に多く含まれています。
野菜や果物の繊維質のもとでもあるセルロース、ヘミセルロースをはじめ、キチン、キトサンなどが不溶性食物繊維にあたります。
青汁の原材料であるケール、アシタバなどの野菜類にも含まれる他、キチン、キトサンなどをプラスした商品もあります。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、「食物繊維」
水溶性食物繊維
水に溶ける食物繊維のことで、果物、昆布やワカメなどの海藻類、こんにゃく、里芋、大麦などに多く含まれています。
ジャムにとろみをつけるペクチン、こんにゃくに含まれるグルコマンナン、寒天の主成分であるアガロースをはじめ、アルギン酸、アガロペクチン、カラギーナン、ポリデキスロトースなどが水溶性食物繊維にあたります。
青汁の原材料のケール、アシタバなどの野菜類にも含まれている他、水溶性食物繊維のひとつである難消化性デキストリンなどをプラスした商品も多くあります。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」、「食物繊維」
食物繊維を摂るメリット
食物繊維の健康に対する影響は、世界的にも多数の研究がなされています。
食物繊維をしっかり摂ることで、身体にはどんなメリットがあるのでしょうか?
腸内環境の改善、便秘の解消
食物繊維と言えば便秘、といっても過言ではないと思います。
便秘薬の CMなどでもよく聞くフレーズですよね。
不溶性食物繊維には、便のかさを増して排泄しやすくする働き、腸を刺激してぜん動運動を促進する働きがあります。
便秘の原因のひとつに、便が小さいために排泄できない、あるいは便を押し出す動きが鈍くて溜まってしまうということがありますが、それが解消されることが期待されます。
また、水溶性食物繊維には、便に水分を含ませてやわらかくして排泄しやすくする働きに加え、ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌のエサとなってこれらを増やす働きがあります。
こうした働きが組み合わさって腸内環境が整い、便秘が改善されることが期待されます。
ただ、便秘薬のように、これだけの量を摂れば便秘が解消できる、という明確な量は明らかになっていません。
便秘の原因には様々なものがあるので、「食物繊維さえ摂っていれば大丈夫」と安心せず、運動や水分、その他の食事にも気をつけましょう!
なかなか症状が変わらない時は、病気が原因のこともあります。
我慢せずに専門の病院にかかるようにしましょう。
生活習慣病の予防
水溶性食物繊維には、腸内の胆汁酸やLDLコレステロールを吸着し、体外に排出する働きがあります。
不溶性食物繊維が豊富な食事を摂っている人においても、LDLコレステロール値の低下が観察されており、不溶性、水溶性を問わず食物繊維を摂ることは望ましいと考えられています。
LDLコレステロール値が低下すると、高血圧や脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが下がり、欧米では実際に心筋梗塞のリスクを低減したという研究結果が報告されています。
この他にも、血糖値の上昇が抑えられることによる糖尿病の予防、胃がんや大腸がんの予防にも効果があるのではないか、という研究結果もあり、食物繊維をしっかり摂ることで様々な生活習慣病の予防につながるのではないかと考えられています。
ダイエットにも役に立つ?!
食物繊維をしっかり摂ることは、肥満の改善とも関連があると考えられています。
一般的に野菜や海藻、きのこ、豆類など、食物繊維を多く含む食べ物は、低脂肪、低カロリーです。
しかも、かさが大きくて満腹感を得やすく、消化に時間がかかるため満腹感が持続しやすいという特徴も。
結果的に食べすぎ、カロリーの摂りすぎを防ぐのに役立ちます。
もちろん、食物繊維を多く含む食べ物だけでは栄養バランスが崩れますし、カロリーも摂りすぎは禁物ですが取らなすぎも身体によくありません。
肉や魚、ごはんなども含め、バランスよく食べることが大切です。
しかし、食物繊維を多く含む食材たちは、現代の日本人の平均的な食生活では不足しがち。
意識して摂ることが大切ですし、おかずとして食べる量だけでは足りないようであれば、手軽にプラスできる青汁も活用してバランスを取ってみてはいかがでしょうか。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「野菜、食べてますか?」
日本人の食事摂取基準(2015年版)
まとめ
青汁にも豊富に含まれている食物繊維には、様々な病気の予防や健康維持との関連が注目され、世界中で研究がなされています。
今のところ、1日にこれだけ摂れば病気を予防できる!という明確な数値は明らかになっていませんが、日々の食事では積極的に摂った方がいいようです。
しかし、野菜などのおかずを毎日充分な量を食べるのが難しい場合もあると思います。
そんな時こそ、調理の手間も必要なく、コップ一杯を飲むだけの青汁なら、忙しい人にも続けやすいのではないでしょうか。
原材料や味、価格も様々な青汁がありますが、どんな青汁を選べばいいのか、青汁選びの際に抑えておきたい具体的なポイントについては、青汁人気ランキングの保存版!効果的な選び方とは?もご覧ください。